赤い屋根、お寺のお堂のような風格のある建物、そして緑の暖簾。そこをくぐれば、地元の方々の明るい声が響いていました。永石温泉は、別府の市営温泉の中でも、ひときわ小ぢんまりとしています。竹瓦温泉を小さくした感じと書けばよいでしょうか。しかし設備は充実していて、コインロッカーもあります。
温泉に浸かります。湯は無色透明で熱め。ああ、生き返る感じがします。…親子連れが入ってきました。親御さんは40代くらい、お子さんはまだ3、4歳でしょうか。お子さんのほうが、温泉の中でゆうゆうと遊んで、泳いでいます。永石温泉は昔から地元の方々の産湯といわれているらしく、さすがに今、産湯として使うことはないのでしょうけれど、お子さんをすくすくと育んでいるようです。
昼食の時間帯を過ぎたからでしょうか、続々と入浴客が入ってきます。次に入ってきた2人連れは、どうやら正月休みを利用して、別府の温泉めぐりをしているようです。関西弁で「ほな、次、竹瓦行こか」などと喋っております。別府は九州、西日本にあるということで、関西からの観光客が多いですね。もちろん、大分県内や福岡からの観光客も多いです。…などと思っていると、ガララと扉が開きました。次はどこからの客? 「お湯が少のうなっちょるけん、出そう」 と入ってきたのは50代くらいの女性。番台さんでしょうか、ベタベタの大分弁とともに湯を出して去っていきました。
||別府八湯
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